ジンのお酒の香りの魅力、人気の種類、おいしい飲み方をご紹介
ジンは世界4大スピリッツと言われ、ウォッカ、テキーラ、ラムと並び世界中で愛されている蒸留酒です。ボタニカルな香りとすっきりとした味わいは、性別・年代を問わずに飲みやすいお酒として親しまれています。ジンの香り、種類、おいしい飲み方などについてご紹介します。
2020年05月31日更新
記事の目次
[1]ジンとはどんなお酒なの?
ジンの意味
ジンは大麦やライ麦、ジャガイモなどを原料に作られる蒸留酒。アルコール度数は40度から50度です。
ジュニパーベリー(杜松の実)という植物をメインに数種類のハーブや果物の皮、スパイスなどのボタニカルで香りづけがされたものを表しています。
もともと熱病の特効薬に使われるジュニパーベリーの薬酒としてフランス語でジュニエール(GENIEVRE)と呼ばれていたようですが、英国に伝わり”ジュニエール(GENIEVRE)”を縮めてジン(GIN)と呼ばれるようになったのが語源のようです。
ジンの味
利尿作用を促す薬草として用いられていたジュニパーベリー(杜松の実)を中心として、数種類の香草によって香りづけがされるジンは独特の風味をもっていると言えます。
香り高く飲みやすいという評価が多い一方で、匂いの強さが苦手だという方もいます。
ジンはストレートやロックで飲まれることもありますが、カクテルとしてさまざまなアレンジによってより飲みやすく提供されている場合が多いためジンがまったく飲めないという方は少ないようです。
ジンの歴史
ジンは1600年代にオランダで薬用酒として研究、開発されていたと言われています。
熱病を防ぐためとして利尿効果が期待できるジュニパーベリー(杜松の実)をアルコールに浸漬。蒸留させて利尿剤を完成させます。
この薬酒が解熱、利尿、健胃剤として広まっていったのがジンのルーツです。当時は粗末な蒸留法で作られていたため雑味の多い薬酒ではありましたが、オランダでは人気を博しポピュラーなお酒として飲まれるようになりました。
その後オランダからイギリスへ渡ったジンはロンドンで爆発的なヒットを得ました。
現在のジンという呼び名も当時のイギリスで呼ばれるようになったと言われています。
19世紀になり連続式蒸溜機が誕生すると雑味の少ないクリーンで辛口の洗練されたドライ・ジンが誕生します。
オランダのジンとは区別してブリティッシュ・ジンやロンドン・ジンと呼ばれ、世界中に輸出されるようになります。
この後ジンはアメリカへ渡り、19世紀の後半にはカクテルのベースとして脚光を浴びます。
”ドライマティーニ”に代表される世界的な知名度を得たジンベースのカクテルが大ヒットするなど、現在ではアメリカで広く根付いたお酒として認知されています。
ジンがよく飲まれる国とは?
ジンのルーツ、歴史を振り返えるとオランダ、イギリス、アメリカで栄えたお酒として3つの国が挙げられます。
オランダとイギリスは主産地として現代でも国民的なお酒として愛飲されているます。
また、最近ではクラフトジンが流行の兆しを見せており、世界各国、日本でも作られているようです。
日本では国民的なお酒とは言えませんが、ジンを愛飲する人は年々増えているようで、さまざまな種類のジンが豊富に販売されています。
ジンの種類
世界中で飲まれているジンは主に4種類あります。もっとも主流と言われるのがドライ・ジン。イギリス・ロンドンで誕生した雑味の少ないクリアで辛口のジンです。
ロンドン・ジン、ブリティッシュ・ジンとも呼ばれています。ほとんどのカクテルにはこのドライ・ジンが使われています。
二つ目はジェネヴァと呼ばれるオランダ産のジンがあります。もっとも原型に近いジンとして知られています。
三つ目はドイツ産のシュタインヘーガーがあります。生のジュニパーベリーを発酵させて作られるジンです。
もう一つはオールド・トム・ジンと呼ばれドライ・ジンができる前に雑味を抑えるために加糖されたタイプのジンです。
ジンは糖質が多いの?気になるカロリーは?
穀物が原料となるジンは糖質は高いと思われているようですが、実は糖質はほとんどないようです。蒸留することでアルコールや香りの成分を抽出するためです。
しかしカロリーは他のスピリッツに比べても高めと言われています。100mlで260~280カロリーほどです。これは日本酒が100カロリー前後、ワインが70カロリー前後とされているのと比べるとかなり高い数値と言えます。
しかもジンはストレートで飲むことよりもカクテルとして飲む場合が多くさらにカロリーは追加される傾向にあります。ダイエット中の方は注意しながら嗜むことが大切です。
[2]ジンの香りの魅力について
ジンに使われるボタニカルについてみてみましょう。まずはジンには欠かせないジュニパーベリーがあります。これは西洋杜松という針葉樹の実です。ベリーと言っても甘酸っぱさはなくほんのりとした苦味とウッディな風味が特徴です。
さらにコリアンダー・シードやアンジェリカ・シード、カルダモン・シードなどのスパイス系、レモンピールやオレンジピールなどの果物の皮、ジンジャーやシナモンなどを加える場合もあります。
また最近流行っているクラフトジンではお茶やゆずの香りを加えて日本らしさを出す商品もあるようです。
ジュニパーベリーを中心とした数種類のボタニカルが醸し出す奥深い植物の香りが独特の風味となり、ジンの香り高さ、美味しさを際だてているようです。
[3]ジンのおいしい飲み方、割り方
ジンを家庭で美味しく飲むには
ジンはカクテルのベースになるお酒としてのイメージが強いようですが、ロックやストレートでもおいしく飲めます。
アルコール度数が40度から50度もあるため、そのままではきつい場合にはトニックウォーターやソーダ割りにすると飲みやすくなります。
トニックウォーターやソーダで割る飲み方は家庭でも簡単にできるジンのおいしい飲み方です。ジンの香り高さを十分に味わいながら楽しめます。
できるだけ市販のロックアイスを使用し、冷やして飲むとよりおいしく感じられるはずです。
ジンを使った代表的な人気のカクテル
・ジントニック
ジンを使ったカクテルのなかでもっともポピュラーなジントニック。炭酸水に香草類や果物の皮などを加えたトニックウォーターはかつては健康飲料として飲まれていたと言います。
ジンが1/4、トニックウォーターが3/4という分量が一般的なジントニックです。ライムやレモンを添えてさっぱりといただくのがおすすめ。家庭でも簡単に作れる代表的なカクテルです。
・マティーニ
ジンベースのカクテルとしてジントニックに続いて知名度が高いマティーニ。辛口のショート・カクテルとして愛されています。
白ワインにブランデーを加え香りづけをしたドライベルモットをジンと合わせて作るカクテルです。オリーブやチェリーを添えて供すことが多いようです。
映画のワンシーンにも登場することが多い大人のお洒落なカクテルです。
・シンガポールスリング
1915年にシンガポールのラッフルズホテルで考案されたというシンガポールスリング。
世界一美しいと称賛されるシンガポールの夕焼けをイメージしたと言われています。
ライチの風味を感じるチェリーリキュールであるヒーリングチェリー、レモンジュース、ソーダを合わせてつくられるロングタイプのカクテルです。トロピカルカクテルとして世界的に人気があります。
・トム・コリンズ
19世紀半ばにロンドンで誕生したと言われるトム・コリンズはアメリカで生まれたジン・フィズとほぼ同じ作り方。
ソーダとフレッシュレモンジュース、砂糖を加えて作るロングタイプのカクテルです。
透明な色味のカクテルに、レモンやチェリーを添えて華やかに演出することが多いようです。
・ホワイトレディ
1919年にロンドンの有名ナイトスポットにて名バーテンダーが考案したとされるホワイト・レディ。
樽熟成をしないリキュールであるホワイトキュラソー、フレッシュレモンジュースをジンと合わせて作られるカクテルです。
甘み、酸味の絶妙なバランスが飲みやすいショートタイプのカクテルとして女性に人気があります。
おすすめのジン5選
・キリン ゴードンロンドンドライジン
1858年にジントニックを生んだブランドとして世界中で愛されています。上質なジュニパーベリーと厳選したボタニカルを加えて爽やかで喉ごしのよいジンが完成しました。
自宅で気軽にジンを楽しめる人気の商品です。アルコール度数は43度。
・サントリー ビーフィーター ジン
1820年に創業してから伝統のレシピを守り世界中で愛されている「ビーフィーター」のジン。柑橘系の爽やかな香りと味わいが評判です。
夕日色の美しいカクテル「シンガポールスリング」はこの「ビーフィーター」のジンで作るのがオリジナルとされています。アルコール度数は40度。
・ボンベイサファイア
普通のジンではジュニパーベリーを中心に4、5種類の香草で香りづけをおこなうところを、「ボンベイサファイア」は世界各地から取り寄せられた厳選10種類のボタニカルを使用しています。
深い香りとバランスのよい飲み心地は世界中に多くのファンをもつ理由です。
・プレミアムジン タンカレー ナンバーテン
イギリスで製造されるジンのブランド「タンカレー」。タンカレーナンバーテンはセカイスピリッツ大会にて3年連続ベストスピリッツを受賞したというプレミアムなジンです。
厳選ボタニカルと生フルーツの贅沢な風味が絶妙にブレンドされています。アルコール度数は47度。
・ウィルキンソン ジン
10種類のボタニカルを使用した香り高いジン。シトラスの香りが際立ち爽やかさに包まれます。
甘さとビター感をどちらもバランスよく感じることができるのが魅力です。カクテルでもそのままでもおいしいと評判。アルコール度数は47.5度。
[4]ボタニカルなジンの香りで最高のくつろぎタイムを!
ジンのお酒の魅力であるボタニカルな香りは、匂いをかぐだけで心が落ち着きリフレッシュできます。ストレートやロック、カクテルなど飲み方も豊富。自分の好みに合った作り方でジンのお酒を楽しみましょう。